以前のブログで紹介した台湾のウルフティーの2022春茶を開封しました。
高山春茶は3種セットを購入していて、今回は個人的に一番期待していた梨緻烏龍をテイスティングしてみました。
ウルフティーについては以前の記事を参照ください。
梨緻烏龍の産地、梨山とは
台湾の中央には南北に連なる標高3000m級の山脈があり、それらの高所で産出された茶葉が高山茶と呼ばれ非常に高い人気を誇っています。
中でも台湾の台中縣和平郷里にある梨山で作られる梨山茶は、品質が良く名が知られています。
今回購入した梨緻烏龍はウルフティーの商品名で、分類的には梨山茶になります。
梨山は、高山茶の産地の中では北に位置します。
台湾は沖縄より南の島国で南国の気候ですが、梨山では海抜1500mから2400mほどと台湾の山の中でも標高が高く冷涼な土地です。冬には雪もたびたび降るそうです。
今回取り寄せたウルフティーの梨緻烏龍は梨山の中でも標高2000m近い梨山翠巒茶区で作られたお茶です。
梨緻烏龍(梨山翠巒):2022春茶
淹れる前の茶葉。
台湾茶、中国茶でよく見かける団揉されたころころと丸い茶葉です。
紅茶や日本茶は細く捩れた茶葉が殆どですが、台湾茶や中国茶の特に烏龍茶は丸まったころんとした形が多いです。
何故あんな形をしているのか不思議に思う人も多いでしょう。
お茶の作成工程に揉捻(じゅうねん)という作業が有り、茶葉の組織にわざと傷を作ることで、茶葉のエキスがお湯に出やすくすることを目的として行われます。
茶葉の形は、この揉捻作業で茶葉をどのように揉むかによって決まります。
台湾茶はあまり揉みすぎると雑味やアクなども出てしまうものがあり、そういった茶葉は布に包んで押しながら転がす包揉・団揉という独自の圧縮方法で揉捻します。
原形そのままの形でくるくると丸めていくので、毬のような丸い形に出来上がります。
この丸い茶葉はお茶を抽出した後にそっと開いてみると、綺麗に原形を留めていますので一度見てみてください。
茶葉3g・湯量150ml・蒸らし6分で淹れました。
お湯を注ぐとふんわりと花の香りが漂います。
甘いんだけど甘ったるくはない。
蘭系で凛々しさのある華やかな香りです。
むせ返る感じではなく、ふわっと立ちのぼる上品な香りの立ち方をします。
味わいは思ったよりは濃厚ではなくすっきり。
お茶酔いするほどきつくはないですし飲みやすいです。
茶葉は3つの高山茶の中で一番肉厚でした。
茶殻をほどくと綺麗な原形を保っています。
ちなみに紅茶は一芯二葉といって先端の芽とその下2枚の葉までで摘み取ることが多いですが、台湾や中国のお茶は一芯三葉や四葉で3枚目や4枚目の葉まで摘み取る場合が多いです。
蘭系の凛々しく華やかさな香りが印象的なお茶です。
3つの高山茶の中でやはり一番香りが多層になっていて奥深いのは梨山でした。
その分やや味わいが軽くちょっと物足りなさがあります。
香りがかなり好みなので冬茶を是非飲んでみたいですね。
本来の楽しみ方に近い多煎抽出のテイスティングもするつもりでしたが、現在住居の工事の関係でどうしても鼻が利かないため後日追記することにします。
この数週間、塗料の匂いって本当に強いんだなと実感しています