イギリスのマーマレードアワード金賞受賞『English Kitchen』のマーマレードレビュー

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日本人が思い浮かべる紅茶の国と言えば、生産国のインドやスリランカよりも、アフタヌーンティで有名なイギリスではないでしょうか?

そのイギリスで紅茶と同じように欠かせないものが「マーマレード」です。

イギリス人が愛してやまないこのジャムには、なんと世界大会まであるんです。

今回は古き良き伝統を愛するイギリスのマーマレードをご紹介します。

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イギリス人とマーマレード

イギリスではマーマレードといえば朝食に食べるもの。

かりっと焼いたパンにマーマレードを塗ったマーマレードトーストが定番です。

エリザベス女王やジェームズボンドも愛する朝食のマーマレード。

逆に午後からのアフタヌーンティで出されるスコーンなどには、基本的に使用しないのです。

確かに思い返すとホテルや紅茶専門店で出されるアフタヌーンティセットでマーマレードを見かけた事は皆無です。

それではスコーンには何を添えるのかと言えば、一般的にイチゴなどのベリーのジャムが添えられるそうです。

イギリス人はこれらのジャムやチャツネが大好物です。

元々夏が短く冬は長く厳しいイギリスで、ジャムやチャツネは保存食として欠かせない存在だったのでしょう。

ジャムは保存食ですから、しっかりと砂糖が入ります。

最近の日本のジャムはごろごろと果実がそのまま入った甘み控え目のさらっとしたものが多く、賞味期限も短いですが、イギリスでは長期保存のために糖度が高く果実はしっかり潰したものが主流です。

そしてしっかりと粘度のある(糖度が低いと粘度があまり出ません)ジャムをトーストに塗るのではなくたっぷり乗せていただくそうです。

イギリスのマーマレードに使用されるオレンジはセヴィルオレンジというスペインのセヴィル地方産のものを使います。セヴィルオレンジは皮が厚く種も多く酸っぱいので生食には向きません。

最盛期は1月2月で、この時期になるとマーマレード用のオレンジとして店頭にたくさん並びます。

日本で6月に梅酒や梅干しを漬け込むように、イギリスのマーマレード好きは1月2月にジャムづくりに勤しむのです。

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ダルメインの世界マーマレードアワード

イギリスの湖水地方にダルメインという邸宅があります。邸宅の最も古い区画は12世紀に建てられたそうで、非常に歴史のある建物です。

2万平方メートルもの広大な庭はTV番組や雑誌で何度も特集を組まれるほど素晴らしくイギリスで一番美しい庭」と紹介されるほどです。

17世紀にこの邸宅を購入し、12代に渡って所有しているヘーゼル家には、素晴らしい庭と共に当時のマーマレードレシピも受け継がれています。

実際に400年も前のレシピを再現したマーマレードがダルメインで販売されていて、人気を博しているそうです。

マーマレードを愛するヘーゼル家は、伝統的なマーマレード作りを見直して欲しいという思いから2005年に「世界マーマレードアワード」というコンテストを開催します。

開催当初は参加者の少なかった大会ですが、年々知名度を上げ規模も大きくなり、現在では世界中から3000本以上の応募があるようになりました。

近年では日本からも多くの参加者あり、優れたマーマレードに贈られるゴールド賞・シルバー賞を受賞されています。

この「世界マーマレードアワード」の審査は2月にダルメインで行われ、マーマレード作りに一家言のある審査員が厳重に審査を行い3月に受賞者の表彰式が行われます。

また日本有数の柑橘生産地である愛媛県八幡浜市が、この世界マーマレードアワードを招致し、2019年に「第一回ダルメイン世界マーマレードアワード&フェスティバル日本大会」を開催しました。

マーマレードアワード日本大会は今年で3回目。

去年の第2回はコロナの為残念ながら中止となりましたが、今年は日本だけでなく台湾からも出品が有り、計1,421品もの応募が集まり盛況だったそうです。

世界マーマレードアワードはホームメイド(アマチュア)部門とアルチザン(プロ)部門があり、ホームメイド部門の応募費用は慈善団体に全額寄付されます。

日本大会でも同様とのことでした。

チャリティ活動に熱心なイギリスらしい大会ですね。

ダルメイン家で作られたマーマレードは通販でも購入できます。

クリスマスシーズンにはその時期しか購入できない期間限定のマーマレードも販売されるのでチェックしてみてください。

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甘夏&レモンのマーマレード(English Kitchen)

「English Kitchen]甘夏&レモンのマーマレード

立ち寄った店で、イギリスの世界マーマレードアワードでゴールド受賞された「English Kitchen」のマーマレードが販売されていましたので購入してみました。

「English Kitchen」では林 敦子(はやし あつこ)氏がお1人で製造販売されているそうです。

元々イギリスのご友人からマーマレードを習われた事からスタートして、現在は国産の様々な柑橘でマーマレードを作成されているとのこと。

数あるマーマレードの中から、今回は初めてなので最もオーソドックスな甘夏&レモンの組み合わせを購入しました。

成分表示を見ると静岡産の甘夏と広島産のレモン、お砂糖も国産の物を使用されています。

ものすごく綺麗に透き通ってきらきらしています。見るからに美味しそう。

瓶のラベリングが端正で素敵です。

うっすらと甘夏のピール(皮)が見える

蓋を開けてみるとジェリー状にしっかり固まっているのが分かります。

そして香りが凄く良いです。

甘夏の香りを極限まで濃縮したような、ほろ苦さの混じったビターな香り。

実は以前海外の(どこの国の物かは忘れてしまいました)マーマレードを食べた時、薬品臭と感じるような匂いがした経験があり身構えていましたが全くの杞憂でした。

ピールがゴロゴロと入ったマーマレード

早速取り出してみます。

思った以上に甘夏ピールがたくさん入っています。

甘夏は皮が厚く種が多く身がしっかりとしているので、本場のマーマレードに使用されるセヴィルオレンジに似ているのかもしれません。

温かいトーストに乗せても熱でだれないマーマレード

本来イギリスの朝食に出てくるトーストは薄切りなのですが、個人的な好みから4枚切りの厚切りトーストに乗せていただきます。

濃厚な甘夏の味がぎゅっと凝縮されていて衝撃的な美味しさです。

一口目は確かに甘いのですが、その後に甘夏特有のジューシーな酸っぱさとほろ苦さが広がり、実際の糖度よりも甘く感じません。

そして繰り返しますが、香りが良い。

人工的に後付けされたものではない、果物本来の香気の強さが引き出されていてうっとりするほどです。

糖度が高い為、温かいトーストの上に乗せてもどろどろ垂れる事もありません、

酸味や苦みが濃厚なので、多分これくらいの糖度が無いと負けてしまうのでしょう。

最高にトーストに合うマーマレードです。

側面には世界マーマレードアワード・アルチザン(プロ)部門ゴールド賞受賞の証のラベルが貼られています。

林氏は2016年から6年連続ゴールド賞を受賞されているそうです。

本場のイギリスで、舌の肥えた審査員を相手に毎年ゴールド賞を受賞されるのは凄いことだと思います。

とても美味しかったので次は柚子を使用したマーマレードや国産の土佐のベルガモットを使用した物を購入してみたいですね。