喫茶去 一芯二葉の2022年いろいろお茶の福袋から開封した茶葉です。
一芯二葉さんに関して詳しくは以前の記事を参照ください。
世界最大の紅茶の産地アッサム州
インドは世界有数の紅茶生産国で、年間75万トンもの紅茶を生産しています。
そのうちの半分以上の紅茶を生産しているのがインド北東部にある世界最大の紅茶の産地アッサム州です。
バングラディシュやブータンに隣接し、亜熱帯モンスーン気候のためとても雨が多い地方です。
生産されている茶葉は普段私たちが目にするオーソドックス製法と、茶葉を丸めたCTC製法があります。
インドではCTC製法の茶葉が人気で、チャイに使用されるのもCTC製法の茶葉が殆どです。
CTC製法は紅茶の味が短時間でしっかりと濃く抽出されるので、ロイヤルミルクティーやチャイといった煮込み系のお茶や、アイスティーをつくるのにとても便利なので一度試してみてください。
しかしその反面アッサム特有のモルト香はCTC製法の茶葉からは余り感じ取れません。
香りを楽しみたい場合はオーソドックス製法の茶葉を選びましょう。
アッサムは春・夏・秋の3シーズン収穫され、香りと味が最も良いとされるクオリティーシーズンは夏のセカンドフラッシュになります。
アッサム・セカンドフラッシュ マランギ茶園 FTGFOP1
お店の説明によるとアッサムらしいコクのある甘さにフルーティーな口当たりとモルティーな香気に満ちたお茶ということです。
開封してみると本当にフルーティーな香りがします。
ちょっとダージリンのようなで芳香がたっています。
アッサムにもウンカの影響を受けた香りを放つ茶葉が有るので、この茶葉も恐らくそうなのでしょう。
ダージリンの代表的な香りマスカルテルフレーバーは、そういう品種のダージリンなわけではありません。
ウンカという小さな緑色の虫が茶葉の先端の柔らかい部分を噛み、それに反応した茶葉が防衛のために抗体を作り出すことで、芳香が生まれます。
その為ダージリンの茶園ではウンカが居心地よく過ごせるように環境を整えます。
そしてウンカに噛まれた茶葉は他の茶葉と分けられ、特別な製法で製茶されます。
ダージリンに多いチャイナ種はウンカによるフレーバーがよく出ますが、アッサム種はチャイナ種に比べて反応が起こりにくく香りが出にくい傾向が有ります。
ちなみに中国茶の東方美人もウンカによって生み出された香りです。

FTGFOPということで、しっかり焙煎された褐色の茶葉にゴールデンティップスの淡い茶葉が結構混じっています。
見た感じ少し軽めのアッサムのようです。
FTGFOPは紅茶の等級を指す言葉で、ファインティッピーゴールデンフラワリーオレンジペコーと呼ばれます。
ゴールデンティップスと呼ばれる黄味がかった淡い色の芯芽が多く含まれた上質な茶葉を指す等級です。
茶葉は先端の芯芽は香りが強く味は柔らかめ、下の方の葉は香りは弱いが味わいが力強くなります。
つまりFTGFOPは、どちらかといえば香りをより楽しむ紅茶と言えます。
今回は湯量150ml・茶葉3g・蒸らし3分でティスティングしました。


水色:黄色味のある褐色。
香り:いれたてはベリーのような酸味のあるフルーツ香が最初にあり、モルト香が後に続く。温度が下がるにつれモルト香の甘さが立つ。
味:軽やかな味わい。香りで感じるよりは甘さが少ない。コクはやや少なく感じるが、その分清涼感がありフレッシュな味。温かい季節にストレートで飲むのに適している。
いれる前に予想した味とほぼ合致した、爽やかなアッサムです。
ストレートに適しているとは思いますが、ミルクに負けないだけのコクはあるので、どちらでも好みで大丈夫です。
アイスティーにしても美味しいと思いますが、アイスミルクティーにするとちょっと負けそう?それくらいの軽さです。
どっしりがっしりしたアッサムも美味しいですが、初夏の汗ばむ季節にはこういう軽やかなアッサムが美味しく感じます。
中々気に入りました。