【シルバーポット】ダージリン:サングマ農園2021年FF

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久しぶりに紅茶レビューです。

ダージリンはしっかりした味わいのセカンドフラッシュを飲む事が多いので、ファーストフラッシュは結構久しぶり。

春の紅茶:ファーストフラッシュダージリンとは

『紅茶の女王』『紅茶のシャンパン』と称えられるダージリンは春・夏・秋と3回クオリティーシーズンがあります。

そしてそれぞれ摘まれた時期によって、春の『ファーストフラッシュ』、夏の『セカンドフラッシュ』、秋の『オータムナル』と銘打って販売されます。

つまり『ファーストフラッシュ』は3~4月に摘み取られた一番摘みのダージリンを指します。

一般的に『ファーストフラッシュ』は明るい黄色の水色で、華やかな香りです。

ミルクティーよりはストレートで楽しむほうが向いており、和菓子によく合います。

入れ方は通常の紅茶と同じ100℃か、少し下げた90℃くらいのお湯でいれます。

個人的に、80℃以下のお湯でいれる低温抽出法で渋味を抑えるのはおすすめしません。

紅茶の主な旨味成分はカフェインタンニンです。

これらは80℃以上でよく抽出されます。特にタンニン90℃以上が望ましいです。

80℃以下の低温抽出では、カフェインタンニンが上手く抽出されません。

蒸らし時間を長くしても、溶け出る温度の問題なので余り解決しません。

そういった点から低くても90℃程度が良いと思います。

元々低温での抽出は、緑茶の旨味成分であるアミノ酸が低温でも十分抽出されることから高級緑茶で用いられていました。

これをダージリンにそのまま使用すると、紅茶の旨味成分がしっかりと抽出できず今一つな味になってしまうのです。

ただ近年は、より発酵を抑えたほぼ緑茶と言える製法のダージリンが増えているため、極めたい人はそれぞれの茶葉に合う温度を探求するのも面白いと思います。

サングマ農園とは

インドとネパールとの国境近くのランボンバレーにあり、約3万ヘクタールの広い敷地を有しています。

年間20万トンものお茶を生産する有名な農園です。

2007年からバイオオーガニック農法に力を入れており、安全性と美味しさの両立した紅茶を目指しています。

ちなみに『サングマ』という名前の由来は、きのこの多く生える場所という意味を指すネパール語Sanga-Murunに由来しているそうです。

お隣のタルザム農園とは同一資本で、共同の工房で製茶を行っています。

ダージリン2021年FF:サングマ農園の感想

一昔前と違って最近は茶葉の袋が再密封出来るものが多く助かります。

ジークレフの袋は紅茶保存に必須の遮光性や密封性があり、袋自体もしっかりしているので良いですね。

ただ欲を言えば、銘柄のラベルは上部に貼ってくれた方が整理しやすく助かります。

あともう少しラベルも文字も大きく濃いほうが読みやすいなぁと個人的な感想です。

開封したとたん華やかな香りが漂います。

茶葉の色味は白みがかった緑で白茶っぽいです。

湯量150ml・茶葉3g 抽出時間5分でいれてみました。テイスティングの際はやや濃い抽出にしています。

今回は湯温は少し低めに90℃程度。

ダージリン・ファーストフラッシュ(FLOWERY )DJ-5:サングマ茶園(2021年産)

水色:薄く綺麗なイエロー。

香り:瑞々しく花のように甘い香り。お店の説明文通りジャスミンの花とぶどうを混ぜたようなフローラルフレッシュな香り。青みはあまり感じない。

味:甘く柔らかい。コクはあるが濃厚ではない。瑞々しく春そのものといった味わい。渋味苦味は強くなく程よい。余韻控え目で後口がすっきりしている。

ファーストフラッシュは個性ががっつりと際立つものだと一発KOされることがあるんですが、こちらはしっかりした味わいながらきつくはありません。

お茶酔いしやすい人におすすめです。

冷めてくると甘さが薄らぎ、瑞々しさ爽やかさが全面に出てきます。

果実香が際立ってて美味しい。

丁寧に作られているので茶殻も綺麗ですね。

より花のような香りを堪能したい人は、蒸らし時間4分のほうが甘い香りが前面に出ます。

老舗農園らしいバランスの取れた味で、飲む人を余り選ばないダージリンだと思います。

芳香も尖っていない丸みのある上品さ。

後口も非常にすっきりしています。

久々のファーストフラッシュでしたがとても気に入りました。