身近で凄いリプトンを元紅茶専門店員が解説

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こんにちは、まお太です。

高校から紅茶好きが高じて紅茶専門店に長年勤務していました。

先日ふと目にした記事が目に留まりました。

昨日5月10日は『リプトンの日』

そんな記念日が有るんだと興味が湧いたので、今回はリプトンと創業者トーマス・リプトンのお話です。

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リプトンの日とは?

世界有数の紅茶ブランドとして、とても有名なリプトン。

黄色いパッケージの「イエローラベル」や、綺麗なブルーの缶でお馴染み「エクストラクオリティーセイロン(通称:青缶)」が代表的な商品です。

紅茶に興味が無くてもペットボトル商品や紙パックの商品を見かけた事は有ると思います。

現在リプトン(Lipton)は食品や家庭用品メーカーのユニリーバの傘下になっています。

このユニリーバが制定したのが「リプトンの日」です。

リプトンの創業者トーマス・リプトンは、1871年5月10日にスコットランドのグラスゴーで、食料品店「リプトンマーケット」1号店を開店しました。

この5月10日はトーマス自身の誕生日でもあったそうです。

これにちなんで5月10日が「リプトンの日」に制定されたのです。

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創業者のトーマス・リプトンはどんな人?

1848年(1850年の説もある)スコットランドのグラスゴーに小さな食料品店の子供としてトーマス・リプトンは誕生しました。

生家は裕福では無かった為、10歳の頃から自力で学費を稼ぎながら夜学校に通っていたそうです。

13歳で蒸気船の船員募集を見たトーマスは、両親の反対を押し切って蒸気船に乗り込みます。

15歳の時には単身で渡米し、バージニア州やサウスカロライナ州を転々としながら働き、18歳でニューヨークの百貨店の食品部に就職します。

しかし数年で辞職し地元グラスゴーに戻りました。

帰国後は父の経営する食料品店を手伝いますが、昔ながらの考え方だった父と経営方針が合わず1871年に自分の店を開店させます。

これが世界有数の紅茶ブランド「リプトン」の始まりです。

トーマスはその後、広告ちらしや世界初の割引クーポンなど斬新なアイデアで、順調に店舗数を増やしていきます。

やがて1889年頃、イギリスで広がり始めた紅茶ブームに目を付け「リプトン」は紅茶事業に参入します。

トーマスは有能なティーブレンダーを多数雇い入れ、販売する各地の水質に合わせたブレンドを行い紅茶の普及に勤めました。

イギリスの水事情

イギリスは全土がミネラル分の多い硬水のイメージが有りますが、実際はロンドンなどのイギリス南部は硬水で、北部やスコットランドは軟水です。

軟水と硬水で同じ紅茶を淹れると、硬水はタンニンの抽出が妨げられ紅茶本来の味が出にくく、水色も黒っぽくなります。その為、軟水の地域には軟水用のブレンド、硬水の地域では硬水用のブレンドが販売されるようになりました。

ロンドンでは主に硬水用ブレンドが販売されていますが、軟水用ブレンドも販売されていたりしますので、確認すると良いでしょう。

ちなみに日本は軟水ですので、軟水ブレンドがおすすめです。


しかし、当時紅茶は貴族や富裕層の嗜好品として扱われておりまだまだ高額でした。

そこでトーマスは、仲介業者を通すのではなく産地から直接仕入れればもっと安価で紅茶を供給出来ると考え、紅茶の産地を訪れます。

この時トーマスが向かったのが、前の記事で取り上げた『セイロン』現在のスリランカでした。

その頃セイロンでは、ちょうどジェームス・テーラーが広めた紅茶の栽培技術によって紅茶生産が開始されていました。



トーマスはセイロン視察後すぐにウバの茶園を買い取り、「産地から直接ティーポットへ」というスローガンで本格的な紅茶の生産販売を開始します。

この取り組みで、トーマスは品質の良い紅茶を今までの1/4の価格に抑えて提供出来るようになりました。

これによってイギリスでは紅茶が大流行し、リプトンは1895年に「英国王室御用達の茶商」となりました。

またトーマスは慈善事業にも熱心で、多額の寄付や慈善活動を行い1898年ナイト爵位を、1902年には準男爵位に叙せられました。

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日本に浸透したリプトン

リプトンの紅茶が日本に輸入されたのは1906年のことです。

1930年には『リプトン本社直轄喫茶部 極東支店(運営:株式会社フクナガ)』として京都の三条にティールームが開店します。

このティールームは現在は『サー・トーマス・リプトン三条本店』と名前を変えて営業されています。(四条、京都駅地下にも支店有り)

京都では昔から有名で、スイーツ類が豊富な女性に人気のお店です。

実は『ロイヤルミルクティー』という名称はこのリプトン三条本店が発祥です。

ロイヤルという響きからイギリスの飲み方のように思われがちですが、イギリスではこういった煮出し式の飲み方は有りません。

1960年代にリプトンティールームのメニューとして考案されたそうです。

同じころにティーバッグタイプの紅茶が日本で急速に普及し、これを契機にリプトンの名前は広く日本中に知られることになりました。

現在では日本で知らない人は居ない親しみのあるブランド、今年で創業131年にもなる『リプトン』

紅茶を世界に広めた、とても由緒ある老舗ブランドです。

『リプトンの日』にはトーマス・リプトンの愛した美味しいセイロンティーを1杯いかがでしょうか。