こんにちは、まお太です。
高校から紅茶好きが高じて紅茶専門店に長年勤務していました。
特徴的なパステルブルーのレトロな紅茶缶。
紅茶に興味を持った人はもちろん、紅茶を余り知らない人も輸入食品のスーパーで見かけた事が有るかもしれません。
今回は、リプトンから1907年に発売された『エクストラクオリティセイロン』のレビューです。
リプトンとは
リプトンはトーマス・リプトンが1871年に創業しました。
1888年頃から紅茶事業に参入し、紅茶ブームに合わせてスリランカ(当時のセイロン)のウバ茶園を買収し、当時は高級品だった紅茶を庶民が親しめる価格で安定供給することに成功します。
これによってイギリスでは紅茶の大流行が起こりました。
リプトンは功績を称えられ、英国王室御用達の茶商となり、創業者トーマス・リプトンは爵位も叙せられました。
エクストラクオリティセイロンの特徴
リプトン公式HPの商品説明によると、エクストラクオリティセイロンはヌワラエリヤをメインとしたハイグロウンティー100%でブレンドされているようです。
昔から変わらない缶のパッケージから『青缶』という愛称で親しまれています。
まずは茶葉を確認してみます。
全体的に赤味が有り、しっかり発酵した茶葉です。
ヌワラエリヤは全体の傾向として発酵が浅い緑っぽい茶葉が多いのですが、エクストラクオリティセイロンはしっかり発酵させた茶葉を使用しているようです。
茶葉のサイズはブレンドなのでばらつきが有り、ダスト(粉状茶葉)も混じっています。
150mlの熱湯・茶葉3g・抽出時間3分で淹れてみました。
(テイスティングの際は紅茶の味や香りをはっきり感じ取るために、通常より濃く抽出します)
水色:澄んだオレンジ色
香り:強くはない。柔らかく少し甘い花のような香り。仄かにウバっぽい爽やかな香りがするので、ウバかウバに近いエリアのウダプセラワもブレンドされているのかも。
味:最初は甘みが有り、その後じゅわっと渋味がくる。かすかにほろ苦さもある。シングルエステートのヌワラエリヤに比べるとコクが有り、ミルクを入れても美味しいようにブレンドされている。
湯150ml・茶葉2g・3分抽出も試してみましたが、これだと薄すぎて味がぼやけます。抽出時間を5分も試しましたが、味に大きな変化はありませんでした。
紅茶の茶葉の基本料は湯180mlに茶葉3g(一人前はカップ2杯分360mlの湯に6gの茶葉)ですが、エクストラクオリティセイロンもこの基本の分量でほぼ大丈夫でしょう。
個人的に濃いと感じる場合は3gから0.1g単位で微調整か、最初から薄くするより差し湯で調節するのがお勧めです。
差し湯はティーポットへお湯を足すのではなく、カップに注いだ紅茶へ少しずつお湯を足して好みの濃さに調節する事を指します。
エクストラクオリティセイロンの感想
以前にエクストラクオリティセイロンを飲んだのは何年も前ですが、その時はもう少しヌワラエリヤっぽい青さが有ったように記憶しています。
長年販売されているお茶なので、その間に少しずつブレンドが変わっているのかもしれません。
そういえば、よくヌワラエリヤは緑茶のような渋味で日本人好みと紹介されています。
でも周囲の声を聞くと、紅茶の渋みは実は苦手だという人が多いように感じます。
ヌワラエリヤは軽やかですがしっかりと渋みを主張してくる紅茶なので、一律に『日本人好みの紅茶』とは言えないと思います。
しかし渋いからと安易に茶葉を減らしてしまうと、その紅茶の良さや個性も消えてしまうので、量を守って渋ければミルクを入れるか、潔く別の茶葉を試すほうがおすすめです。
もしくはその渋みが餡子にとてもよく合うので、和菓子や中華菓子をお茶請けにすると、渋みが苦手な方も楽しめると思います。
エクストラクオリティセイロンはミルクを入れると、渋味が消えてアッサム等とはまた違った朝にぴったりの軽やかなミルクティーが楽しめます。ブレンドならではのコクが、ミルクと良くマッチします。
お値段も450g3,024円、110gの小さな缶だと1,000円を切るので日常的に飲むのに使いやすい紅茶で、長年ファンが居るのも頷けるなと思いました。
おまけ
家族[普段は紅茶に砂糖とミルクをたっぷり入れる派]の感想
結構渋い。でもミルクを入れると渋みが消えてとても美味しい。