【イチゴジャム】初めてでも失敗しない基本のレシピ

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毎年イチゴジャムを作ります。

とはいっても我が家はパンやヨーグルトの頻度が低めなので、イチゴ1パックか2パック分を作って1か月程度で食べきっちゃうんですが。

市販のジャムも美味しいけど、ジャムを作る間、部屋中に漂うイチゴの香りはこの時期だけのお愉しみ。

今回は初めてジャムを作る人が疑問に思ったりつまずきやすい箇所をまとめました。

なにはともあれまず作ってみたいという人は目次からレシピへどうぞ。

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イチゴジャムの下準備と用意するもの

いちごジャムは工程が少なく、初めてのジャム作りにおすすめです。

幾つかの基本的なコツを抑えれば失敗もほぼありません。

用意するものを纏めましたので、作り始める前にまず目を通してください。

ジャムやコンフィチュール作りにはシーズン終盤のすっぱいイチゴがおすすめ

1パック298円の小粒イチゴ。最初に出回る大きな実より安価でコスパも良い。

ジャム作りには、果肉がしっかりと固めで酸味が強く香りが濃厚な果物が向いています。

本場イギリスやフランスでは、果物をジャムにしたりタルトに焼きこんだりと加工して食べる事が多く、調理に適した品種がたくさん出回っています。

しかし日本では家で果物を加工することが余りなく、出回っている果物も、そのまま食べるのに向いた品種が主流です。

イチゴもシーズン初期に出回るものは特に柔らかく甘くて酸味が少なくて、生で食べるのは美味しいですがジャムにするにはちょっと向いていません。

日本のイチゴでジャムを作っても、なぜかイギリスやフランスのジャムのようにならないのは、こういった素材の違いが主な原因です。

しかしシーズン終盤になると、日本でも酸味が強めの小粒イチゴが出回ります。

この小さ目で酸味のあるイチゴがジャムやコンフィチュール、果実酒といった加工用におすすめです。

価格もシーズン初期よりぐっとお安くなっていて、とてもコスパが良いので是非一度試してみてください。

一つだけ注意して欲しいのは、酸味が欲しいからと熟していないイチゴを使用すると、風味が弱く美味しいジャムが出来ません。

実がしっかりとして、なおかつきちんと熟した香りの良いものを選びましょう。

砂糖はグラニュー糖を使用する

果物の繊細な風味を損なわないために、ジャムやコンフィチュール作りにはグラニュー糖をおすすめします。

蜂蜜やキビ砂糖は風味が強く果物本来の味を邪魔しますし、色も飴色がかってしまい鮮やかに仕上がりません。

ジャムは果物の重量に対して50%~70%の重量の砂糖を使用するので、砂糖の味がジャム全体の味に大きく影響します。

好みの問題ですが果物のジャムではなく砂糖味のジャムになってしまうので、私はグラニュー糖を強くおすすめします。

風味の強い砂糖を使用したい場合は、アクセントとして少量をグラニュー糖と置き換えると良いでしょう。

ちなみに上白糖を使用した場合は、グラニュー糖に比べてやや重さのある甘さになります。

果物のフレッシュさ軽やかさを出したいなら、やはりグラニュー糖に軍配が上がります。

鍋はステンレス製が一押し

ジャムは酸味のある果物で作ります。

酸味は字のまま酸性で、手頃な価格のアルミ鍋は酸に非常に弱いです。

ジャムやコンフィチュール作りにアルミ鍋を使用すると鍋が傷み、表面に穴があいたり傷つけます。

味に影響が有るだけでなく、身体に有害な成分が溶け出すこともあるので使用しないでください。

またジャムは最初から強めの火力で一気に炊き上げたいので、テフロン加工の鍋もあまり向いていません。

では最適な鍋は何かというと、私はステンレス製がおすすめです。

ジャムの色移りを考えずに済みますし、うっかり焦げ付かせてしまったときの対処もとても楽です。

よくジャム作りでおすすめされている琺瑯は、テフロンと同じく中火以上の火加減が苦手なので私は使用しません。

また銅鍋は熱伝導が確かに良いですが、熟練したプロ向きの道具で一般家庭での扱いは少し難しいですし何よりかなり高価です。

ジャム作りに慣れていない場合は、まずはステンレス製をおすすめします。

私が愛用しているのはジオプロダクトの18㎝片手鍋。

とにかく頑丈な鍋で、15年保証もついています。

蓋も含めてオールステンレスなので持ち手が焦げたり溶けたりもしないし錆もしない、まるごと漂白剤に漬けるという荒業も使えます。

塩分にも強く味噌汁を作ってそのまま翌朝まで放置も出来ますし、蓋をぴったりとしめて無水調理も可能です。

12年使用していて何度も焦げ付かせてしまっていますが、今でも現役でまったく問題ない頑丈な鍋です。

1つだけ欠点は鍋底から出るほどの最大強火で使用していると、徐々に持ち手の付け根部分が熱くなってしまう事。

通常使用で鍋底に収まる範囲の強火なら、長時間加熱し続けない限りそんなに熱くもなりませんが、もし熱くなった場合は火傷しないようにミトンを使用してください。

消毒は手軽に出来るアルコール消毒で、冷蔵庫に保存する

私はイチゴジャムの脱気処理は基本的に行いません。

脱気処理とは、ジャムを瓶に詰め密閉した後、瓶が沈むほど深く湯を張った鍋で沸騰させたまま暫く煮込み空気を抜く事です。

ジャム以外に栗の渋皮煮やタケノコの水煮などでも使われる方法で、きちんと脱気処理されたジャムや渋皮煮は1年程度の保存が可能になります。

我が家のイチゴジャムは期間限定品扱いで1か月程度で食べきってしまうので、面倒な脱気処理は省いています。

そして瓶の煮沸消毒も行いません。

煮沸消毒は特別な道具がいらず、大き目の鍋で瓶を茹でるだけと手軽そうに聞こえますが、茹で上がった瓶が物凄く熱くて火傷しそうになることが度々ありました。

そこで煮沸消毒の代わりに、瓶をアルコール消毒しています。

アルコール消毒といっても今は手軽なアルコールスプレーが販売されているので、瓶にスプレーして乾かすだけです。

基本的に高濃度のアルコールはすぐ蒸発するのですが、大量に吹き付けすぎた場合は清潔な布巾やキッチンぺーパーの上に瓶を逆さにして放置すればすぐ乾きます。

綺麗に洗って乾燥させた瓶にアルコールをスプレーし、乾いたらジャムを詰め十分熱が取れてから冷蔵庫で保存します。

これで未開封なら1か月程度は問題なく楽しめます。

アルコール消毒は手指の消毒用では無く、食品に直接かかってOKなものを使用します。

おすすめはドーバーのパストリーゼ。飲食店で業務用によく使用されているブランドで、最近はスーパーでもよく見かけます。

私が使用しているのは家庭で使いやすい500mlタイプ。1Lのボトルはちょっと片手で持つには重いです。

まな板やキッチン回りに使用しますが、もちろんいろんな場所のお掃除にも使用できますよ。

パストリーゼは大容量サイズもあるので、大量に使用される場合はそちらをこの500mlサイズに詰め替えていくのが良いです。

ただし消毒用アルコールの詰め替えは専用の対応容器でないとダメなので、百均の通常のプラスチック容器に移し替えたりはしないでください。

念のためキッチンでアルコール消毒を使用する際はコンロなどの火を消すか、近くで使用しないようにしてください。

手作りジャムは使いきりサイズの小瓶に詰める

栗の甘露煮が入っているような大瓶にジャムを詰めると、瓶の開閉で雑菌が入ってカビたり味が劣化しやすいです。

家庭で手作りジャムを保存するなら2~3回程度で食べきる分量が入る120ml~200mlくらいの小瓶に詰めましょう。

私が使用しているのはweckのmold shape140ml。

この量なら2人で3回程度で食べきれます。

縦長のすとんとしたフォルムで冷蔵庫でも場所を取らないこと、劣化しやすいゴムパッキンや蓋を留めるクリップを買い替えやすい事が気に入っています。

大体1パックのイチゴでこの瓶1つ分のジャムが出来ます。

weckは基本的に瓶・クリップ・パッキンが別売りです。クリップとパッキンが無いとガラス蓋が上に乗っているだけの状態で固定されないので、必ずクリップとパッキンもセットで購入してください。

下の商品は瓶・クリップ・ゴムパッキンがセットになっています。

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基本のジャムレシピ

ジャムのレシピ本はたくさん出版されていますが、イチゴジャムなら特にレシピを確認するような事は必要ありません。

まずはパンなどに乗せるスタンダードな固さのジャムにするか、ヨーグルトなどに掛けるさらっとした甘さ控えめジャムにするか決めます。

そして果物の正味(ヘタや皮や種を取った状態)の重量をきちんと測り、グラニュー糖の重量を決めます。

およその目安としてグラニュー糖の重量がイチゴの正味量の60%~70%ならスタンダードなジャム。

40%~60%くらいまでならさらっとした甘さ控えめジャムになります。

40%以下になると、更にとろみがつきにくくコンフィチュールかイチゴソースになります。

糖度が低くなるほど保存可能な期間は短く、冷蔵保存でも短期間で食べきる必要がありますので注意してください。

パンやスコーンに乗せて食べたい我が家では、とろみが程よく失敗の少ない60%くらいでジャムを作ります。

初めてジャムを作るならまずはこの糖度で作るのがおすすめです。

準備するもの

イチゴ1パック:ヘタを取った後の正味量(今回は280g)

グラニュー糖:いちごの正味量の60%(今回は112g)

イチゴの正味量によってグラニュー糖の重量も変化します。

今回はレモン果汁は使用せずシンプルでスタンダードなイチゴジャムを作りますので、材料はこれだけです。

イチゴジャム作りの手順

イチゴの下準備を行い、材料を計測する

まずイチゴの下準備をします。

ジャムを作る時にイチゴを洗わない人も居ますが、やはり輸送などで埃が付いていることも多いので、私は軽く水洗いします。

この時大事なのは短時間で優しく洗うことと、イチゴのヘタをつけたまま洗うことです。

ヘタを先に取ると洗う時に切断面から水が入って一気に水っぽくなってしまうので、絶対に先にヘタを取ってはいけません。

まず大き目のボウルにたっぷりの水を張ります。水の量はイチゴが余裕で浸かる程度必要です。

水を張ったボウルにイチゴをそっと入れて、手で全体を優しく混ぜて洗浄終了です。あまり勢いを付けるとイチゴが傷つき水っぽくなるので注意してください。

次にザルを用意してイチゴを手で掬い上げ移します。この時ボウルの底には細かい埃やゴミが沈んでいますので、舞い上げてしまわないように優しく掬い上げましょう。

長く水に漬けているとイチゴは甘みが抜けてどんどん水っぽくなります、作業は手早くしてください。

ザルにあげたイチゴは一つずつキッチンペーパーなどで水分をぬぐい、ヘタをナイフで落としていきます。

切断面に葉の切れ端などがついているので、そういった汚れも丁寧に取り除きます。

もし一度で洗える大きなボウルが無い場合は、イチゴを小分けにして洗ってください。その際は一回ごとに水を新しくしましょう。

ヘタを取り終わったらイチゴの重量を計ります。イチゴの重量は必ずヘタを取った後の正味量を計るようにしてください。

次にイチゴの正味量の60%の重量を計算し、グラニュー糖を計測します。

イチゴの半量を潰してグラニュー糖を混ぜる

ジャム作りでは砂糖をイチゴにまぶして一晩放置し、滲み出した果汁と一緒に鍋で加熱しながら果実を潰すレシピが多いです。

でも結局果実を潰すなら同じことなので、このレシピでは先に潰して時短します。

イチゴの半分をボウルから取り出し、一度よけておきます。

ボウルの中に残ったイチゴを手で軽く潰しましょう。完全に潰すのではなく、食感が残るように荒く潰します。きちんと熟していればすぐ潰せます。

イチゴを半分潰すとこんなに果汁が出ます。

潰したイチゴのボウルに、先ほどよけておいたイチゴを戻し入れます。

計量しておいたグラニュー糖を全てボウルに入れて、そのままさっと混ぜてラップをして1時間程度置いておきます。(時間が無い場合はそのまま鍋で加熱しても大丈夫です)

果実を潰さずにジャムにしたい場合は、砂糖をまぶして果汁が出てくるまで一晩程度放置してください。

ボウルのイチゴと砂糖を手鍋に全て入れて加熱する

手鍋にボウルのイチゴと果汁を全て入れてから火を点けます

火加減は最初から最後まで中火程度。鍋底から火がはみ出るほど強い火加減だと焦げつきやすいので、収まる範囲が良いです。

今回は1パック程度の少量イチゴで作りますから、火を点けてから10分程度で煮詰め終えるようにしましょう。

煮詰めるときに時間をかけすぎると色がくすみやすいです。

煮立ってくるとふつふつと白い泡が出てきます。この泡はアクなのでゴムベラでそっと集め、おたまで掬って捨てていきます。

沸騰して白く浮かび上がってきたアク。

底が焦げ付きやすいので確認して混ぜながら、アクを集めて捨ててを繰り返します。

暫くすると明るかったジャムの色が少し黒っぽい澄んだ赤色に変化します。

その時点でジャムは出来上がりなので、とろみがきちんとついていれば火から下ろします。

目標よりさらっとしすぎて水分が多い場合は少し火を強めて一気にとろみをつけます。

色が変わった時点でアクはもう捨てなくて大丈夫です。

水に落としたジャムが少し広がりながら底に落ちている。

とろみの付き具合の確認は、水200ml程度を入れたコップを用意しておき、ジャムを少しだけスプーンに掬って落としてみます。

落とした瞬間広がって水にとけてしまうようなら煮詰め足りません。

コップの半分くらいまで塊で落ち、写真のように途中からやや広がるくらいが一般的なジャムの固さです。

この固さになったらすぐに鍋を火から外し瓶に詰めます。

鍋の余熱でどんどん煮詰まっていくので急いで作業しましょう。

煮詰まりすぎると飴のように固くなってしまいます。

もしそうなってしまったジャムを救済する場合は、少し水を入れて伸ばします。水を入れた後沸騰させれば大丈夫ですが、焦がさないように気を付けてください。

出来上がったイチゴジャムはつやつやで美味しそう。

市販のジャムよりフレッシュな瑞々しい味がします。

写真は作成から1週間ほどたって開封したものですが透明感と鮮やかな色がそのままです。

イチゴのシーズンが終わるまでに是非試してみてくださいね。

食べもの
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