以前の記事でも取り上げましたが、毎年半日陰の伯母家玄関にビオラを植えています。
一昨年と去年は残念ながら苗のみを手配して植え付けに参加出来なかったのですが、今年は植え付けに行くことが出来ました。
我が家も先日の引っ越しで北向きベランダ→東向きベランダになり、日照条件が改善したのでせっかくだからビオラを植えてみようと思います。
今回は植え付け編です。
西北西玄関と東向きベランダの日照条件
まずは双方の環境について。
伯母家は以前の記事でも挙げたとおり西北西向きの玄関前。
日照時間は午後12時前後から15時くらい。以降は直射日光が射しません。
対して我が家のベランダは東向き。
11月下旬で午前7時半から10時半くらいに直射日光が射し、以降は明るめの日陰になります。
つまり伯母家は午後に日の当たる半日陰、我が家は午前に日の当たる半日陰で比較対象としては真逆で良い感じです。
日向・半日陰・日陰の定義は当サイトでは下記の表のように考えています。
日向 | 半日陰 | 日陰 | |
直射日光が当たる時間 (1日あたり) | 6時間以上 | 2時間以上 またそれ以外の時間は明るい日陰 | 2時間未満 |
用意したビオラと虹色すみれ
以前の記事でも述べましたが、ビオラは日光を好む花ですが耐陰性が有るため、半日陰程度なら十分花をつけてくれます。
今回は毎年よく咲いてくれるビオラの『ももかシリーズ』をメインに、『虹色すみれ』『バニーイヤーズ』『ピーチジャンプアップ』も少し用意しました。
虹色すみれはパンジーとして紹介されているのですが、花径が一般的なパンジーよりは小ぶりでビオラよりは少し大きめという中間サイズになります。
縦サイズ(㎝) | 横サイズ(㎝) | |
ももかシリーズ・ピーチジャンプアップ(ビオラ) | 3.8 | 3.5 |
バニーイヤーズ(ビオラ) | 3 | 2.5 |
虹色すみれ(パンジー) | 4.5 | 4 |
ももこ(フリルパンジー) | 6 | 5.5 |
ビオラ
まずは毎年購入しているももかシリーズ。
花付きがよく徒長しにくいのでとても育てやすいです。
徒長とは、日照不足や水の過多などで茎がひょろひょろと伸びてしまうことを言います。
徒長すると茎が花の重さに耐えられず倒れてしまったり、全体の見栄えが悪くなります。
半日陰では日照不足からとにかく徒長しやすいので、どんな植物でも徒長しにくい品種を選ぶようにするのが鉄則です。
ももかシリーズは「らいおんももか」「あじさいももか」等ひらがなの可愛らしい名前で、非常に多くの色数が有ります。
今回は『ゆきももか』『あんみつももか』『ひまわりももか』『たいようももか』『なごみももか:しんしん』を購入しました。
特に『なごみももか・しんしん』は、アンティークピンクのグラデーションでシャビーな寄せ植え作りにぴったりです。
カラフルなビオラも素敵ですが、大人カラーなビオラが欲しいという人は是非育ててみてください。
他に購入した『ピーチジャンプアップ』と『バニーイヤーズ』両方とても花付きが良い品種です。
特に『バニーイヤーズ』はビオラの中でも極小サイズで宿根ビオラに似た小さな花がたくさん咲きます。
茎はやや長めですが、花自体が小さいので茎が倒れてしまうことなくふんわりひろがって可愛らしくおすすめです。
虹色すみれ
可愛らしい縁取りと水彩画のような鮮やかなグラデーションが魅力的な『虹色すみれ』。
区分的にはパンジーのようですが、伯母家で今一つ綺麗に咲いてくれなかったフリルパンジーよりもやや小ぶり。
今回は咲いてくれるのか検証するため『ノーブル』と『ラブリームーン』を少数購入。
おまけ:フリルパンジー
東向き半日陰でパンジーの栽培をまだ試したことが無いため、我が家のみフリルパンジーも追加で植えてみることにしました。
パステルカラーの桜色でふわふわフリルの『ももこ』と、名前不明の青系フリルパンジーを1株ずつ。
ホームセンターで両方少し大きめのしっかりした株が手に入ったので期待が高まります。
『ももこ』は個体差で淡いものからはっきりと濃いものまで色幅がかなり大きい品種なので、ネットで購入する際は注意が必要です。
私は店頭で中間くらいの濃さを選びました。
半日陰の植え付け時の摘芯は、ビオラなら不要、パンジーも不要か浅い摘芯に留める
ビオラを含む大体の花にとって、半日陰は日向より生育環境がランクダウンしている状態です。
そのため半日陰では、日照時間以外の環境を出来るだけ最善の状態に近づける事が、綺麗な花を咲かせる最短の道になります。
半日陰でビオラを育てる際の土や肥料、薬剤に関しては以前にまとめた記事を参照ください。
今回はもう少し技術的な部分です。
草花の多くは、根元に近い芽(脇芽)の成長よりも茎の先端につく芽(頂芽)の成長を優先させる習性があり、これを頂芽優勢(ちょうがゆうせい)といいます。
そこで摘芯(茎を途中でカットする事)することで脇芽が出やすくします。
多くのテレビや園芸雑誌などで、パンジーやビオラを大きく育てるために植え付け時ばっさりと深く摘芯することをすすめていますが、半日陰で深い摘芯はおすすめしません。
何度か実際に試しましたが、半日陰で深く摘芯しても春の花に大きな効果は見られませんでした。
逆に冬の間ほぼ生育が止まったような状態になり、花もほとんど付きませんでした。
これは半日陰の生育の遅さが影響しているようです。
深く摘芯してしまうと、葉の少ない状態が長期間続き、冬の貴重な日差しを蓄えられなくなります。
そして葉が少ないことで日光を有効に活用出来ず、更に成長が遅れる負のスパイラルに陥ってしまいます。
このため半日陰では深く摘芯することのメリットが十分に生かせず、場合によっては枯らしてしまう事も有ります。
そこで植え付け時は「ビオラは出来るだけ摘芯しない」「パンジーはバランスを見て浅い位置で少しだけ摘芯する」のがおすすめです。
また、半日陰では葉が非常に大切なので、水切れなどで葉が落ちてしまわないように注意しましょう。
ただし水やりが多すぎると根腐れもしやすいので、土を触って実際の乾き具合をきちんと確認しながら水を与えることも重要です。
11月下旬植え付け
11月4週目に苗が到着したので早速植え付けました。
10月からビオラの苗は販売されていますが、ビオラは暑さに弱いので最初は11月中旬以降に植えるほうが良いです。
慣れている方や寒冷地の方はもう少し早くから植え付け開始してください。
伯母家植え付け
伯母家の植え付けは何度も足を運べないので半日で植えきります。
古くなったプランターも総動員して流れ作業で植えていくので、組み合わせを考える時間がありません。
そんな時は同じような色合いやトーンの花を一つの鉢に植え付けてしまいます。
その後実際に花が咲き始めてから、どの鉢とどの鉢を隣にするか考えて全体の色のバランスを取ります。
以前は一つずつの鉢で寄せ植えを完成させようとしていたのですが、その場合かなり時間がかかってしまうので、後から調整方式で落ち着きました。
10年以上の鉢なのでひび割れなどが出ていますが、気にせず植えていきます。
これくらいの間隔で植えてもビオラは生育旺盛で鉢を覆いつくすほど広がってくれるので、鉢自体にはあまり目がいきません。
このように1種類のみだと植え付けも非常に楽です。
小さい鉢なので極小のバニーイヤーズがちょうど良いです。
こちらは野菜を植えるような深いプランターなので、古い土を下に敷き詰めて高さを出し、その後で新しい土を入れて土の節約をしています。
もしくは荷物の梱包などの発泡スチロールを砕いて底に敷いても良いです。
全て土にするより格段に軽くなる為、鉢の移動が楽になります。
ただどの場合も苗の深さより3㎝ほど下からは新しい土を入れるようにしてください。
古い土を底に敷く場合は、虫の卵が残っている可能性があるのでオルトラン粒剤を必ず撒いて害虫被害を予防しましょう。
我が家の植え付け
我が家のベランダは昔ながらのブロック壁で、床に鉢を置くと日照時間が更に短くなってしまいます。
最初は壁掛けのラックを購入して鉢を並べたかったのですが、我が家のブロック壁は暑さが10.5cmくらいだったので、中々合う商品が見つかりませんでした。
そこで思い切って壁掛け用に鉢とフックを購入して一つずつ吊るすことに。
私は1つ穴の鉢を購入しましたが、水やりの時などちょっと触れると傾く事があるので、2つ穴の鉢のほうが安定するかもしれません。
フックはサイズが色々り、きちんと使用する壁の厚さを計らないと、はめた時にぐらぐらしたり入らなかったりするので要注意です。
ニッサチェインの壁掛けプランターフックはとてもシンプルで、耐重量も2㎏までいけます。
上の280号壁掛けポットに通常の土を入れて、パンジーやビオラの苗を入れるくらいなら十分問題なさそうです。
少しでも高さをかせぎたかったので、本来フックの穴を通すところでは無く一番下の飾り穴に通しています。
耐久的に特に問題ないとは思いますが、同じように通す場合は自己責任でお願いします。
1鉢に2株ずつ植え付けました。
バニーイヤーズはかなり成長するので、しんしんが負けないかちょっと不安です。
虹色すみれは初めて取り寄せましたが、少し首が長めな品種なんでしょうか?
半日陰の影響が悪く出ないように祈ります。
水彩画から抜け出したようなお花です。
我が家のみのおまけ、フリルパンジー。
苗が大き目だったのでちょっと窮屈そうです。
きちんと成長してくれるなら1株で植えた方が良さそうなんですが、半日陰のハンデを考慮して今回は敢えてこのままでいきます。
西北西玄関と東向きベランダで生育にどういった違いが出てくるのか、これからの生育が楽しみです。