1月~2月は、ヒヤシンスやムスカリの水耕栽培がお洒落なガラス容器にセットされお花屋さんに並びます。
とっても可愛いけど、ちょっとお高め。
実は同じ時期に販売される「芽出し球根」で簡単に作ることが出来ます。
今回は初心者でも10分ほどで出来ちゃう『芽出し球根の水耕栽培』をご紹介します。
芽出し球根ってどんなもの?
『芽出し球根』は『芽出し苗』ともいわれ、既に芽が出る状態まで生産者さんが育ててくれた球根のこと。
今回購入したヒヤシンスの『芽出し球根』はこんな感じ。
販売されるのは大体1月くらいから。、
この『芽出し球根』が園芸初心者さんや我が家のような半日陰ガーデナーにとってもおすすめです。
というのも、春に咲く球根は冬の寒さ(気温4℃~9℃)に2か月以上しっかり当てないと咲いてくれません。
植え付け時期は10月~11月が目安ですが、昨今は11月でも気温が下がらない事が。
そういった生育環境で、発芽しなかったり上手く成長させられない場合があるんです。
球根を植えて3か月近く一生懸命育てて花が咲かないなんて悲しすぎますよね。
特に半日陰は、こういった失敗が多発するので要注意!
そこで生産者さんが途中までしっかり育ててくれた『芽出し球根』がおすすめです。
なんといっても既に芽が出ている状態なので、発芽しないって失敗を回避出来ます。
それでも心配な人は花芽が少し覗いている球根を購入すれば、ほぼ確実に咲いてくれますよ
さて、この便利な『芽出し球根』は、ちょっと手をかけることで水耕栽培にも活用出来ます。
既に水耕栽培用になっているものが欲しい人はこんなのもあります。
ヒヤシンス版もありますが、花が大きくて開花するとこの容器ではぐらつく気がします。
ヒヤシンスにはこういう深めのグラスが良いです。
チューリップも可愛いですよね。
10分の手間で水耕栽培を楽しもう!芽出し球根の使い方
さて本題。
『芽出し球根』を水耕栽培に使う方法です。
10分の手間と書きましたが、容器の準備をしておけばそんなにかからないと思います。(もちろん球根の数が増えれば時間も増えますが)
本当にちょっとの手間でとっても簡単なので、是非色んな種類を並べて楽しみましょう。
芽出し球根を購入する
今回はヒヤシンスを使います。
私の購入した芽出し球根はヒヤシンスが1つ128円くらい。
球根ものなら大体水耕栽培出来ますが、余り大型になるとグラグラして倒れたりしちゃいます。
ヒヤシンス以外にも小ぶりなチューリップ・ムスカリ・クロッカス・水仙などがおすすめ。
球根の土を落とす
まず球根をポットから取り出します。
もし出しにくい時はビニールポットをハサミで切ってしまってOKです。
軽く振って土を落とします。
この時の注意点はたった1つ。
根を出来るだけ折らないようにすること。
ヒヤシンスの球根から生えている根は非常に折れやすいです。
注意して土を取っても結構根が折れてしまうと思います。
ある程度なら大丈夫なのですが、根が半分以下になるほど折ってしまったりしないように気を付けましょう。
余りに根が無くなると、根を回復することに力を使い果たして花が綺麗に咲かなかったりします。
とはいえよほど力を入れてバキバキ折らなければ大丈夫です。
球根を優しく水洗いする
球根は弱い水流の水で洗い流します。
あまり強い勢いで水をかけると根が傷むのでここは慎重に。
根の間に入っていた土も水でほぼ落ちます。
もしくは容器に水を張って、優しく球根を揺らすようにするのもいいです。
お庭があれば問題無いですが、マンションのベランダだと土の混じった水の処理に困りますよね。
我が家では不織布の生ごみ用の排水ネットを広げて、そこに流すようにしています。
愛用品はこれ。
ストッキングタイプより目が細かく、配管に詰まってしまうような枯葉や小石をきっちり受け止めてくれて排水性も良くおすすめです。
これくらい落ちれば十分です。
この時点で完全に土が落ちていないと気になるかもしれませんが、やりすぎるとどんどん根が無くなっていくのでほどほどに。
数回水やりをするうちに自然に取れていきます。
あとは水耕栽培用のガラス容器に挿して完成です。
余談:ムスカリとクロッカスも水耕栽培にしてみる
水耕栽培は小粒の球根をギュギュっと並べて置くのも可愛くておすすめ。
簡単なのはムスカリとクロッカスです。
ヒヤシンスに比べてムスカリとクロッカスは根が折れにくいので、簡単に感じるかも。
複数個で植えられていると根が絡み合って解せないように見えますが、側面を指でトントンと叩いたり球根を持って揺すると解せます。
ヒヤシンスと同様に、土を落とす⇒水洗いで、ささっと処理してこんな感じ。
玉ねぎを干しているようで可愛いです。
こちらもあとは好みの容器に並べるだけで完成です。
球根を容器に挿す前のひと手間
球根とガラス容器があれば簡単に始められる水耕栽培ですが、使用した方が失敗も減らせるし手間が少なくなるものが幾つかあるので紹介します。
メネデール
植物の活力剤で、名前のとおり芽や根の成長を促します。
植え替え・株分け・挿し木をするとき水に薄めて使用します。
肥料とは違うので、通常の植え替えは肥料が別途必要です。
けっこう使用頻度が高めなので我が家は大きいほうを常備。
ゼオライト
根腐れ防止剤。
観葉植物や球根の水耕栽培で水質が悪化するのを防ぎます。
水耕栽培の水がすぐ濁っちゃったり容器がぬるっとする時ありますよね。
ゼオライトを入れると水が濁りにくくなり、ぬめりの発生頻度が減り水替えの頻度も減らせます。
そのまま使用すると水が白く濁ってしまうので、3回ほどすすいでから使用しましょう。
土に混ぜると肥料の吸収を高める効果があります。
水洗いした球根を好きな容器に挿してみる
球根の下準備が出来たら、さっそく好きな容器に挿してみましょう。
手順は以下のとおり。
- 水洗いしたゼオライトを容器の底にスプーン1杯程度敷く。
- メネデールを100倍希釈した水を用意する。水500mlとキャップ半分でちょうど100倍です。
- 球根を容器にセットし希釈水を入れる。この時必ず球根は水に浸からないように。(水に球根が使っていると球根が腐ったりカビが生えてしまいます)根っこの先が水に使っていれば十分です。
これで完成です。
実はお花屋さんで売られている水耕栽培用の球根も、同じように土に植えられていた球根を掘り上げて土を落としたものなんです。
よく見ると球根と根の間に少し土が残っているのが分かります。
ちなみにムスカリやクロッカスの根はヒヤシンスより折れにくいです。
しかもそこそこコシがあるので何個か纏めてグラスにそのまま挿したりもできます。
根っこが上手く入らないときはピンセットなどで優しく入れてあげてください。
ムスカリとクロッカスも出来ました。
球根が水に落ちてしまう場合は、ビー玉やガラス、水耕栽培用の保水ゼリーなどを置いて底上げします。
その際あまり小さい物より1㎝以上のちょっと大きめなもののほうが水を替えやすいです。
メネデールの希釈水は最初の時だけで、水替えは普通の水で大丈夫。
ゼオライトは流してしまわないようにしてそのまま入れておきましょう。
球根が咲く3月くらいまでは大体1週間に1回程度の水替えでいいので手間もかかりません。
やってみると本当に簡単で通常の園芸よりスペースも取らないので、是非チャレンジしてみてください。