先日、相方が実家に帰省する際にお土産として「551蓬莱」の豚まんを買ってきました。
実は、551蓬莱は関東に直営店がなく、催事でもあまりの行列に圧倒されるうち、5年ほど食べる機会がなかったんです。
「味がちょっと変わったのでは?」という評判も聞いていたので、子どもの頃から愛してやまない関西人として、実際に食べてみた感想をまとめました。
関西人にとっての「551蓬莱」
肉まんと豚まんって同じもの?
まず、肉まんと豚まんは全く同じ料理です。
肉まんを豚まんと呼ぶのは日本でも関西圏のみだそう。これは、関西が昔から牛肉愛にあふれているせいなんです。
関西は、文明開化の頃に牛肉ブームが起こった影響もあり、全国的に見ても牛肉消費が多い地域として知られています。関西では肉じゃがやカレーに使うのは牛肉が多く、料理名に「肉」と付けば牛肉が使用されているという暗黙の認識があります。
例えば、ホルモンやモツと言えば関西では牛の内臓を指します。私自身、関西から関東へ引っ越したばかりのころ、東京のモツ煮やホルモン焼きを豚のものとは知らず、食べて驚いた記憶があるくらいです。(ちなみに、関西ではレバーは鶏か牛が主流で、豚レバーはなかなか見かけません)
こういった肉=牛肉という関西人の独特な感覚から、全国的に「肉まん」と呼ばれる包子も関西では「豚まん」と呼び豚肉の料理として分かりやすいようにしているわけなんです。
子どもの頃から親しんだ日常の味
関西人なら、幼少期から何度も食べた懐かしの豚まんといえば「551蓬莱」。
コンビニの肉まんよりちょっとお値段は上がるものの、具がたっぷり詰まっていて生地もしっかり。コスパが抜群なため、子どものおやつとしても大好評でした。
子供が複数個食べちゃっても懐が痛まない、「お財布にやさしく、どれだけ食べても心配なし」――それが「551蓬莱」の豚まんの魅力です。
実は、昔東京にいる親戚から「551は美味しくない、維新號のほうが美味しい」と言われたことがあり、正直大ショックでした!
当時、551は140円に対し、維新號は500円超えと、だいたい4倍もの価格差。
たまに味わう高級肉まんと、日常的に楽しむ庶民の豚まんを比べるのは、勝負する場所が違うというか前提が違うよなぁというのが正直な感想でした。
「特別な御馳走」ではなく、「普段食べる手軽で美味しいもの」、それが関西人にとっての「551蓬莱」の豚まんなのです。
関西には、551蓬莱以外にも「老祥記」や「三宮一貫楼」など、豚まんで有名なお店がたくさんあります。
関東の肉まんは大きく豪華な印象ですが、関西はちょっと小ぶりで控えめな価格設定。伝統的な包子に近いタイプも多いです。
個人的には、天満の「火無夷」が大好きでした。1個80円というリーズナブルさで、蒸したてを食べるとまるで小籠包のようにジューシーで、本当に美味しかったのに、残念ながら閉店してしまったのが悔やまれます。
5年ぶりの再会:サイズとバランスの気になる変化

551蓬莱の豚まんは、店舗で作りたてを蒸し上げるタイプと、あらかじめ工場で生産されたチルド商品があります。
今回は新幹線内での持ち運びを考えてチルド商品を選びましたが、やっぱりお店の作りたてを購入するほうが美味しいです。
チルド版は生地の風味や食感に若干の違いが感じられ、特に生地の風味や味がお店版に比べると劣る印象です。

今回は4個入り1,000円(1個約250円)でしたが、以前に比べて若干値上がり。
物価上昇の影響は仕方ないものの、気になるのが「サイズが小さくなっている」点です。以前は箱いっぱいにぎっしり詰まっていたのが、今回は隙間ができて取り出しやすい。
その分ちっちゃくなったってことだよね。

生地自体の質感はほぼ変わらず。
「551蓬莱」は生地にかなり特徴があって、ふわふわすぎず重くもなく、絶妙にもっちりして香りがとても良いんです。この独特な生地に餡のジューシーな肉汁が染み込んだ部分が一番美味しくて好き。

豚まんの裏側は紙ではなく薄く削られた松の木。これも「551蓬莱」の特徴です。
蒸すと木のよい香りが豚まんにうつって、かつ水分を適度に逃がしてくれる縁の下の力持ちてきな存在なんですよ。以前よりは薄くなった印象ですが、機能は十分発揮しているようです。

蒸す前に半分に切ってみた断面。
さっそく温めて食べてみました。うん、以前とあまり変わりなく美味しいですね。
関西の親戚から聞いた話によると、一時期少し変わってしまったけど、最近また元の味に戻ったということでした。
わたしは、その味が変わっていた期間を食べていないので確かなことは言えないですが、いま現在は味が昔と全然違うというようなことはありません。※2025年3月現在
ただ幾つか、昔から食べなれているからか気になる点はありました。
まず餡の玉ねぎが減っています。以前は餡に少し大きめな玉ねぎが入っていて、その食感が良いアクセントだったんですが、今回はその玉ねぎが少なく存在感が薄れている点が気になりました。
もう一つ、全体量に対して少し餡の量が減ったのかな?生地とのバランスが微妙に崩れている気がします。「551蓬莱」の生地は、少し甘めなので塩気のある餡が少なくなると、甘さが気になりました。
とはいえ、明らかに味が落ちたというわけではなく、どちらも以前からの味を記憶していないと気にならないくらいの違いです。
変わらず大阪土産としておすすめ出来るレベルのクオリティだと思いました。
豚まんを温めるならやっぱり蒸し器!
ここでちょっと余談ですが、豚まんの温め方について。多くの人はレンジ派かもしれませんが、我が家ではいつも蒸し器で温めています。
レンジだと「温まったかな?」と何度もチェックしなければならず面倒!しかもやりすぎると生地がカチカチ。
それに対して蒸し器なら、多少蒸し過ぎても安心で、手間がかからないのが魅力です。
ちなみに我が家ではルクレーゼのステンレス製の蒸し器使用。
10年以上前に20㎝のルクレーゼ鍋とセットで頂いたスチーマーです。
ルクレーゼは蓋が湾曲していなくてまっ平らなため、高さのあるものが入らないんですが、シュウマイや豚まんをさっと温める時にとても便利です。
20㎝サイズで「551蓬莱」の豚まんなら2個温められます。3個もみっちりだけどいけるかな。
ルクレーゼ用なのですが、口径が同じ鍋なら問題なく使えます。我が家では長時間蒸しが多いので、たっぷり水が入る寸胴鍋にセットして、蓋もその鍋の蓋で代用しています。
最近は、角煮や茶わん蒸しなどを作る時にもっと深い蒸し器も欲しくなって、探し中。
こちらのような専用鍋のついていない蒸し器のみが欲しいんですが、あまり可愛い物が無いのですよね。シンプルで、いっそ黒の取手とかなくてオールステンレスのほうが洗いやすいし良いのだけど。
暫く蒸し器探しを続けようと思います。
そういえば無印良品の竹製せいろも素敵でいいなと思ったんですが、長時間の蒸しはNGと聞いて断念しました。
せいろには色々な素材がありますが、30分以上の蒸しがOKなのはヒノキ製のみ。竹や杉のせいろは最長30分以内で寿命も1~2年の消耗品なのだそう。
その点、ステンレスなら一生もので使え、カビなどの心配が一切なくて楽に扱えます。
自然素材のせいろ可愛いんですけどね。面倒くさがりなわたしには多分向いていないので諦めます。
「551蓬莱」の通販
「551蓬莱」の商品は楽天などでも販売してますが、公式サイトより高めなので公式通販サイトからの購入がおすすめです。。
↑楽天の中ではこちらが一番安いのかな?
公式サイトはこちら。
おすすめ商品は豚まんと肉しゅうまい。
海老しゅうまいはコスパが微妙、餃子は普通というのが正直な感想です。
結論
実に5年ぶりの「551蓬莱」の豚まん。
昔と全く同じ味ではなかったものの、豚肉や野菜、小麦の値上がりがある中、このクオリティを維持しているのは本当にすごいと感じました。
値上がり自体は仕方ないとして、出来れば次回は元のサイズに戻っていてほしいなと思います。