よく「うどんは関西、蕎麦は関東」なんて言われますが、これはもう過去の話です。いまや東京でも美味しいうどん専門店が続々と出店し、関西にも蕎麦の名店が軒を連ねています。
わたしも関東に長く住んでいますが、かつては関東風の醤油の効いた、真っ黒な出汁のうどんが主流でした。しかし、近年は「丸亀うどん」をはじめとした讃岐うどんのお店が台頭してきました。(丸亀さんは正確には讃岐のお店じゃないけども)
今回は、うどん愛に溢れる関西人が、東京で本場讃岐うどんを味わえると自信をもっておすすめ出来るお店「うどん 丸香」をご紹介します。
「うどん 丸香」の詳細
お店の場所と営業時間・定休日
- 住所:〒101-0052 東京都千代田区神田小川町3丁目16−1 ニュー駿河台ビル 1F
- 電話番号:非公開
- 定休日:日曜日・祝日
- 営業時間:【月~金】11:00~16:00/17:00~19:30 【土】 11:00~14:30
最寄り駅・アクセス
「うどん丸香」の最寄り駅は東京メトロ神保町駅です。A5番出口を出て徒歩で2分くらい。
以前紹介した、タルトが美味しいお店「スタイルズケイクス&カンパニー」のすぐ近くにあります。
なお、開店前からお店前には行列ができており、その人気ぶりは一目瞭然です。
なのでかなりお店の場所は分かりやすいです。
行列はできるが、回転は早い
「うどん 丸香」は都内屈指の人気店で、常に行列が出来ています。しかし、うどん店という性質上、回転が速く、席数も多いため、待ち時間はそれほど長くなりません。
特に12時から13時の混雑する時間帯を避ければ、比較的早く入店出来るようです。
わたしたちは平日、開店の15分ほど前に到着し、スムーズに案内を受けることが出来ました。
うどん丸香のメニュー
(※2025年2月時点の情報です)


お店では、並んでいる際にメニュー表が配られ、入店前に注文を受けます。麺にこだわるお店だけあって、メニューは非常にシンプル。
「青唐辛子のうどん」は、他店であまり見ない変わり種ですね。しっかりと辛味が効いているので、辛いものが苦手な方はご注意ください。
おすすめメニュー
- 「かけ(温) 」: 関西風のうどんに慣れている方には、いりこで取った温かい出汁と温かい麺の定番、かけうどんがおすすめです。ちなみに私は冷たい麺が好みですが、こちらでは温かいかけを強く推奨します。(理由は後述)
- 「つけ」:関西風のうどんに慣れていない、または薄味に感じる方におすすめ。いわゆる「ざるうどん」でそばつゆのように濃いつけつゆで食べます。
- 「釜玉」:こちらも関西風のうどんに慣れていない、または薄味に感じる方におすすめ。茹で上がったあつあつの麺に生卵を絡め、出汁醤油をかけて食べるメニュー。
他にも、「かけ」に非常に大量の天然わかめがトッピングされた「わかめうどん」、牛肉と玉ねぎがたっぷり乗った「肉うどん」、そして、ボリュームたっぷりの「きつねうどん」(お揚げがとても大きい!) など、充実したメニューが揃っています。
※どのメニューも、しっかり空腹を満たすボリュームですので、ぜひお腹を空かせてご注文ください。
うどん丸香で食べたものレビュー
わたしは「上天うどん」、連れは「丸天うどん」を注文しました。どちらも「かけ」に、香川県の揚げ蒲鉾がトッピングされています。
前々から気になっていた揚げ物の「ちくわ天」も注文しました。

こちらが「上天うどん」。無料のおろし生姜が添えられ、私は有料の「すだち」を追加しました。
すだちは四国・徳島の名産品で、讃岐うどんと抜群の相性です。特に「つけ」を頼むときはぜひ追加してください。
卓上には無料トッピングで天かすやゴマなども用意されています。
綺麗に澄んだいりこ出汁は香りよく、ほのかに透けるような透明感のある麺のコシのよさも格別。香川まで足をのばさなくても東京でこんなレベルの高いうどんが食べられるなんてすばらしい!
最近は冷凍のうどんもかなり美味しくなりましたが、やっぱり専門店はとびぬけた美味しさがあります。
上天もスーパーで売っているおでん種とは異なり、みっしり詰まっていて味が濃く非常に美味しいです。
ただ、この日は気温が暖かかったため「冷やかけ」を注文しちゃいましたが、上天を乗せるなら「温かけ」のほうが良かったです。これは完全にわたしのチョイスミスで、出汁が冷たいと、上天が冷えたままなになり勿体ない印象でした。
それと「うどん 丸香」で初めて「冷やかけ」を試しましたが、うどんのコシが強くなるぶん、温かい「かけ」に比べると出汁の風味がやや薄く感じられました。
以前、温かい「かけ」を食べた際は、東京の水のせいか出汁がやや控えめになりつつも、塩味をしっかり効かせることで全体のバランスを絶妙に保っていて素晴らしかったのです。しかし、「冷やかけ」ではそのバランスが少し崩れ、うどんの強いコシに出汁が負けてしまっている印象を受けました。
結論として、「うどん 丸香」の麺は、温かくてもしっかりコシがあるので、「かけ」なら温かいものをおすすめします。特に揚げ蒲鉾をトッピングするメニューは、温かい出汁で食べてこそだと感じました。
冷たいうどんを選ぶなら、「つけ」や出汁醤油をかけるメニューをおすすめします。
日本は(沖縄を除けば)おおむね軟水ですが、関東は少し硬度が高いため、硬度の低い関西に比べ昆布や魚介系の出汁が出にくい傾向にあります。
ただ単に出汁が薄いだけではなく、臭みやえぐみや苦味が出やすく、そのため、関東では昔から醤油を強めに効かせた出汁が用いられてきました。
なお、牛などから取る動物系の出汁は硬度が高いほうが上手く旨味を引き出せます。ヨーロッパなどの硬水地域で牛骨を使ったフォンが用いられるのはこういう要因もあります。

こちらは連れが頼んだ「丸天うどん」
丸天は日替わりで、この日は地エビでした。味見をしましたが、こちらも上天同様味が濃くて、しっかりと海老の食感もあり美味しかったです。

こちらは、お客さんの多くが注文する「ちくわ天」。写真だと分かりにくいですが、約18cmほどの巨大な竹輪で、揚げたての衣はサクサクかつ軽やかな仕上がり。
非常にむっちりとした食感で食べ応え抜群。250円という価格も驚きです。
こちらも日替わりで、この日はエソの竹輪でした。これ、おでんに入れたら美味しいだろうな!!
ちなみに400円の「海老天」もすごく大きくて美味しいです。
「かしわ天」はモモ肉とムネ肉の2ピース。ジューシーで美味しいんですが、わたしはうどんに合わせるならムネ肉の天ぷらのほうが好きですね。
余談:讃岐うどんと大阪うどんは別もの

冒頭で「うどんは関西」と書きましたが、讃岐うどんは四国発祥で、関西で昔から食べられているうどんとは全く異なります。
では、関西のうどんはどんな味わいかというと、「大阪うどん」というジャンルがあり、 白玉団子のようにぷるんとしたコシがあり、やや細めで非常に滑らかな食感で、出汁をたっぷりと吸い込むため若干柔らかめの仕上がりが特徴です。
大阪うどんは讃岐うどんに比べ、出汁の味がより重視されるうどんなのですが、讃岐うどんと比較され、麺のコシが弱いとレビューされることがあります。そもそも大阪うどんは、強いコシを求めるものではないのですが、讃岐うどんの人気が圧倒的なため、大阪うどんの良さが理解されにくいのです。
体調が優れないときでも、無理なく食べられる優しい味わいの大阪うどんで、わたしは好きです。
大阪うどんの老舗としては「道頓堀 今井」や「うさみ亭マツバヤ」、うどんすき発祥のお店「美々卯」などが有名です。※なお「美々卯」は関東にもお店がありますが、のれんわけされた別会社で出汁の味が全く違いますのでご注意を。
讃岐うどんを食べて、コシ強すぎて食べるの疲れちゃうなって思ったら、ぜひ大阪うどんをお試しください。
まとめ:東京に息づく讃岐うどんの真髄
『うどん 丸香』は、強いコシとこだわりの出汁で、都内ファンのみならず讃岐うどんに魅了された人々の期待に応えるお店です。
また、超人気店にもかかわらず長時間待たなくても楽しめることや、お料理の質に対して価格が非常にリーズナブルで気軽に食べにいける点が素晴らしいです。
うどんや麺類すべてを愛する人は、ぜひ足を向けてみてはいかがでしょうか。